私が屋根神さまに興味をもったのは、弁天通3丁目近くの屋根神さまを見たことがきっかけでした。交差点近くにあった広場には三本の杭を打った台があって、普段は杭と台だけなんですが、あるとき通りかかると、その上に小さな祠が載せてあり、提灯とお供えが見られました。近所の人に尋ねると「これは屋根神さまです」といわれ、1日、15日におまつりしていましたが、その後ビルが建ち、その屋根神さまはなくなってしまいました。そこで「今のうちにあちこち探して写真に撮っておかなくては」と思ったのが、この写真集を作ったきっかけになりました。

 もし私が名古屋生まれの名古屋育ちだったら、小さいときから見慣れていて目を引くこともなかったことでしょう。生まれ故郷の四国には屋根神さまはありません。学校卒業後に出て来た関西にも屋根神さまはありませんが、(似ているものとして)京都市内の辻々にまつられているお地蔵さまでは地蔵盆にお供えしたり、子供たちが遊べるようなスペースを作ったりしてあったことが記憶に残っております。

※2010年3月6日に開催されたセミナー「残そう! 屋根神」の講義録を連載形式で掲載いたします。