120306畑中地蔵

東北や甲信地方を歩いていると、路傍に石仏や石碑を見かけることがある。
岩手県・遠野では早池峰山や金刀比羅宮、馬頭観音を、長野や山梨では道祖神や庚申、蚕影山などの名前を刻んだ石碑が並んでいた。
多くは複数体で、一見すると群れて集まっているから、そこは「神さまの溜まり場」ともいえる。

なぜ神さまが群れるのか。

そこが村や集落の境で、外部から悪霊や疫病の侵入を防ぐために立てられたのかもしれない。
これほど多くの神さまににらまれたら、悪霊たちもつけ入るスキはないだろう。

所変わってわが家の近くにも「溜まり場」がある。
通りに面した場所にまつられた畑中地蔵さんを主に、堂内には弘法大師、手水鉢の周囲にも小さな石仏や重軽石が並んでいる。
道路拡張や家屋の新改築により居場所を失い避難してきたようだ。
行き場に困った石仏がここに安住の地を見出したことは幸いだが、本来は難儀があった場所に神仏をまつるからこそ、その意味や価値が大きいのではないか。

守り神を失った土地はいまごろどうなっているのだろう。

写真は名古屋市熱田区。