091018東海通中之組神楽10

「立派なもんだろう!」

西之組神楽を下から仰ぎ見ていると、ハッピを着たおじさんが声をかけてきた。

神楽屋形は、仏壇製造で必要とされる細工や塗りの技術が投入された「モノづくり」の面と、全体を金で包んだ絢爛豪華な「派手好き」の面をうまくミックスして、名古屋人の性格を見事なまでに表現した祭具である。

東海通の三台の神楽屋形のなかで、僕がもっとも「名古屋らしい」と思うのは西之組神楽だ。
なぜなら、屋形の屋根の頂上に左右のシャチホコを従え、中心に名古屋城が勇ましくそびえ立つからだ。

「新修名古屋市史」民俗編には金箔を張る前、白木造の写真が掲載されている。
年月を経てコゲ茶色に変色した彫刻は白黒写真にもかかわらず、渋味をありありと伝えている。

「神楽屋形=金神楽」といってもいいほど金箔の張られた神楽が多いので、白木の神楽は逆に新鮮に見える。

しかし、白木だろうが金箔だろうが両方ともがよく似合うと思えるのは、もともとの素材がすばらしいからだろう。

西之組の町内をひき回された神楽屋形は集会所の前に停められ、町内のひとたちに囃子が披露された。

「尾張新次郎太鼓」のハッピを着たお兄さんは、手にしたバチに精魂を込めて、体全体を使うことで生まれる勢いをそのまま太鼓に伝えていた。
細バチから太鼓に伝わる勢いが、カメラを構えながら横で見ていてもしっかりと感じられる。

写真は愛知県名古屋市。