121230女泣石5

女形石は別名「男泣き石」ともいう。

対になる福島市松川町の「女泣き石」とは男女の悲哀を物語る伝説が残っている。

「ふくしまの福の神さま」によれば、ある日、笛の音が聞えるので若者がその主を見つけて追いかけたところ、阿武隈川を松川方面に消えた。
それは女形石を恋しがる女泣き石の精だという。

昨年末に女泣き石を訪れた。
女形石が祠状の小屋のなかに納められているのと対象的に、女泣き石は石神としてまつられている形跡はなかった。

東北本線松川駅近くの線路沿い、土手の中腹から突き出た石は怪獣の頭のように露出している。
どう見ても、一メートルもない女形石と対になるには巨大すぎると思うのだが...

本には紹介されているものの、僕には女形石が道祖神であることが分からない。
女泣き石という「男」とセットではあり、性器形態物だから可能性がないわけではない。

しかし、福島市の道祖神に多い「花嫁は通ってはならない」という言い伝えを女形石は持っていない。
ほかの陰石には同様に言い伝えを持つものがあるので、性別による区別はないはずだ。
女形石は特別な石神ゆえに丁重におまつりされているのだろうか。
考えれば考えるほど頭がこんがらがってしまう。

もしかしたら福島では、道祖神という言葉に含まれる意味が、山梨や長野などとは大きく違っているのかもしれない。

不思議や疑問にあふれる福島の道祖神。

まだまだ歩いてみなくては分からないことが多そうだ。

写真は福島県福島市。


森 実 / mori makoto /