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自転車でその場所に到着したとき、一昨年前とは大違いの道祖神の姿に笑うしかなかった。

鉄柵の囲いの中からは、わがもの顔でひしめき合っていた男根たちの姿はなく、そこには頭の丸い棒状の石が“ちょこん”と存在しているだけだった。
囲いのなかには本来の主人である石以外にはなにもない。

もともとあったはずの静けさ、聖域として風格、厳かな雰囲気、そのすべてを取り戻したといわんばかりの、勝者の喜びに似たものを感じた。

そんな勝者を囲いの後ろから多くの男根たちがうらやんで立っている。
戻りたくてももう戻れない、あなたたちは本来そこにいてはいけない存在だ、と十把一絡げに放り出されていた。

大きく太いベンガラ男根から手作り感そのままの細長いものまで、モノがモノだけにこっけいな後ろ姿に吹き出してしまう半面、一抹の哀愁を感じてしまう。

しかしその横に男根とはまったく関係のない明らかに不法投棄されたゴミも置いてある。

無造作に置かれた男根をいいことにゴミまで捨てていく、不法行為の温床になっていたようだ。

写真は福島県福島市。

★参考文献
野地一二「福島付近の道祖神」『福島史学研究』一九六九
福島市教育委員会「福島市史」『福島の民俗1』一九八一