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茂庭の道祖神の周りを囲んでいた男根たちはどんな祈りをもって供えられたのだろう。

囲いの外に追いやられた姿から想像するしかないが、そのひとつひとつには様々な願いが込められていたのではないだろうか。

道祖神は温泉街から茂庭方面に向かう道路沿いにまつられている。
願いのある人々が、ワラをもつかむ気持ちでお参りに来たのかもしれないし、もしくは願いが叶ったから奉納したのかもしれない。

道路沿いにあり車を使えば簡単に行けるとはいえ、クマやカモシカも出る山深い動物の楽園である。
行こうとすれば相応の覚悟が必要じゃないだろうか。

男根が並んで奉納されている状態は、きれいとはいえなかった。

ご神体の姿が隠れてしまっていることもそうだが、乱雑に並んだそこには明らかに信仰とは関係のないゴミが捨てられていた。

廃棄者にとって参拝者の願いは眼中になく、一群がゴミにしか見えなかったのだろう。
罰当たりなことである。
不法投棄の温床になるからという理由で一掃されたとしても仕方のないことだ。

「一寸の男根にも五分の魂」とまではいはないが、男根に込められた願いとか、気持ちってものを僕は考えてみたい。

写真は福島県福島市。

★参考文献
野地一二「福島付近の道祖神」『福島史学研究』一九六九
福島市教育委員会「福島市史」『福島の民俗1』一九八一