140114秦野市今泉マラセの神15

「奉納 岐神」

当番の男性がサオに通して小屋の軒に吊るしたのぼりにはこう書かれていた。

「岐神」とはマラセの神の手前側に立っている石塔に刻まれた文字でもある。
道祖神ではなく岐神とする理由は分からないけど、「岐」とは三叉路のような分かれ道のことを指すので、境界の神である道祖神とは同義といってよいと思う。
マラセの神が辻の角地に立っていることも関係があるのかもしれない。

そうこうしている間に祭の開始時間である四時が迫っていた。

学校を終えた子供たちが勢いよく学校から走ってやってきた。
平日の、しかも学校がある日にもかかわらず、これから一年に一度の祭を楽しみにしているような雰囲気を感じた。

自分はどんな役なんだろうと大人に聞く子もいれば、どんどの火の回りで遊んでいる子、のぼりの取り付けをじっと眺めている子、三脚を持った珍客を珍しがっている子…

「こっち来て〜」

当番の男性が声をかけると、散らばっていた子どもたちが小屋の前に集まってきた。

写真は神奈川県秦野市。

※参考文献
「秦野の道祖神・庚申塔・地神塔」秦野市教育委員会 一九八八年