140114秦野市今泉マラセの神29


どんどの火を囲んでおじいさんから話が聞けたこと、団子を口にすることができたことは貴重な経験だった。

僕の旅は、なにかに興味を持ったらとにかく行ってみようというものである。
ともすれば「行って」「見る」のが先行し、現地で話を聞けずに帰ってくる「残念な旅」もしばしばだ。
少しでも収穫があればこそ、帰りの電車のなかで飲む酒もうまい。

ところでマラセの神は、他の町内が日にちを日曜などに変えて祭礼を行うのに対し、一月十四日開催を守っている。
また小屋がけの際、ガラス戸のついた覆屋を取り去ったあとで傷がつかないようにブルーシートでぐるぐる巻きにしていたことにも触れた。

当たり前のことかもしれないが、この地域の人々がマラセの神を非常に大切にしており、その意味を現代にも失わないための配慮が感じられた。

秦野市内の道祖神、双体道祖神は摩耗や欠損しているものが多く見られる。
道祖神という石神の扱い方に秦野独特の方法があったのかもしれない。

しかしマラセの神は違う。

ご神体の姿を間近で見たが、その表面は欠損どころか非常にツルツルしてきれいなのだ。

写真は神奈川県秦野市。

※参考文献
「秦野の道祖神・庚申塔・地神塔」秦野市教育委員会 一九八八年