141130中川区若宮八幡タブノキ4

「能登に行こう」

そう思ったのは、山形健介著「タブノキ」内に紹介されているエピソードを読んだときだった。

民俗学者で、歌人の釈迢空としても有名な折口信夫。
彼は1937年の夏、池田弥三郎ら弟子を伴って北陸を旅した。
富山県の高岡から氷見など能登半島の東海岸を歩き、山を越えて石川県の七尾方面へ。
南下し羽咋市の気多神社も訪れている。

折口と弟子たちは氷見から中能登へ抜ける峠でタブノキを見た。

「七尾へ越える峠に、大きくパァーッと突き出したタブがあった」

折口は著書「古代研究」の挿画としてもタブノキの写真を多く掲載しており、強い関心を持っていた。
能登行は弟子たちにタブノキを見せておくための旅だったといわれる。

僕は77年前に行われた旅をたどってみたい、たどれなくとも折口が能登でタブノキに感じた何かを、自分なりに感じてみたくなった。
彼らが峠を越えて見たタブノキは詳細には語られていないが、七尾方面への途中に「長坂の大いぬぐす」と呼ばれるタブノキの巨樹がある。
また能登はタブノキの多い地域で、行政区域を越えて「能登の木」とする動きもあるようだ。

写真は愛知県名古屋市。