名古屋市内では桜が見ごろを迎えている。

僕が仕事で通っていた現場近くには桜が植えられた並木通りがある。
仕事で向かうことはもうないのだけど、気になって買い物帰りに歩いてみることにした。

植えられた桜は場所にもよるけど、どれも七分くらいで満開が近い。
風が吹くと花びらがひらひらと舞い落ちる。
立ち止まって可憐な花がついた枝を見上げていると、手をつないだ老年カップルがこちらに向かって歩いてきた。

自分が生まれ育った場所とは縁もゆかりもない中村区で仕事を始めた十四年前。
この並木の桜に出会ったのはその翌年の春だから、2006年4月のこと。

それから毎年、並木の下を、あるときは車椅子を押して、あるときはその日に食べたものについて話しながら歩いた。
いまとなっては懐かしい思い出だ。
来年はもう目にすることはないかもしれない。

休職になってからも仕事に出ていた。
言葉の表現としては矛盾しているが、今日は休職後初めての休み。
彦根まで足を伸ばし、お城で花見を楽しむことにした。