生活費を精算するときに出た小銭を箱のなかにためているのだが、いつの間にか硬貨が箱からあふれ出し、ふたが閉まらなくなった
面倒くさくてそのままにしていたけど、そうなったら整理のサインである。

浜松銘菓・治一郎のバームクーヘンが入っていた茶色の箱。
ふたがついており置き場にぴったり収まる大きさだ。

今回の整理の対象は五円玉と十円玉。
硬貨が詰まった箱を妻と一緒に居間に運んで、箱の中身を新聞を敷いた床に出していく。
そこから五円と十円を一枚ずつより分け箱に入れていくのだ。

崩しても崩しても一向に終わりが見えない硬貨の山。
指先が硬貨についた汚れで灰色になってくる。
トイレに立つときにはいったん手を洗う。
石けんでは落ちない汚れなので重曹を手にまぶしてごしごしこする。
硬貨って案外汚いものである。

すべての五円十円をより分けた次は硬貨の数をチェック。
持ち込む予定の銀行ではあらかじめ数を確認しておかないと受け付けてくれない。
箱に入った硬貨を十枚ずつ積み上げていく。
いちいち数えなくても同じ高さに積んでいけばよいので楽である。
しめて23500円なり。
ここまでですでに二時間が経過していた。

袋に詰めていざ銀行へ。
用紙に金額を記入して窓口に持ち込み待機していると、お呼びがかかった。
銀行の機械では23495円しかないという。
ちゃんと計算したはずなのに、マジかよ。
そんな気持ちが顔に出ていたのだろう。

すると窓口のお姉さん、これが混じっていました、と受け皿の上に置かれた一枚の硬貨を指さした。
一銭硬貨。
ギザつきだけど茶色がかったその色と大きさは五円にも十円に見えなくはない。

最後にそんな落ちがあるとは想像もつかなかったけど、五円と十円がなくなった我が家の硬貨入れ箱は、ふたも閉まるようになり、平穏を取り戻した。