松江市と出雲大社、出雲市を結ぶ一畑電車。
松江滞在六日目にしてようやく初乗車となった。

今日は「一畑電車感謝祭」の日で、驚くべきことに、乗り降り自由、しかも運賃まで無料というとんでもない日である。
「鉄ちゃん」というほどではないけど鉄道好きな僕もさすがに、一日でも運賃が無料になる電車に乗ったことはなかった。
松江に来る以前にホームページでは確認していたけど、何かの冗談だろう程度に思っていた。

今朝、JR松江駅近くのマンションから一畑電車の「松江しんじ湖温泉」駅まで歩いたが、もし無料じゃなかったら今日の予定は大幅に狂う、そう頭のなかでごちゃごちゃ考えを巡らしていた。
しかし駅に近づくと駅に吸い込まれていくひとの姿を見かけた。

「やっぱ本当だったか」

その思いは改札で駅員から「どうぞ乗って下さい」と声をかけられて本当だと確信した。

ホームにはオレンジ色の出雲大社前行きの普通電車が停車していた。
車内はすでに満員。
幸い席は確保できたが次から次へと乗客が乗ってくるので、出発時には乗車率は200%くらいまで達していたのではないだろうか。
車内放送ではしきりに「多客ため...」を連発していた。

数年前、僕が乗った一畑電車はガラガラ電車だったから満員の車内を見渡すとにわかにしんじられない。
もらったチラシには第4回と書かれていたので、僕が乗ったあとに始まった企画らしい。

勝算があっての企画だと思うから、考えたのはすごく仕事のできるひとか、逆に普段仕事はできなくても、あるときとんでもないことを発想してしまうひとなんだろう。
こんなことを他の鉄道でもできるのだろうか。考えついたとしても反対にあってボツになるのがオチだろう。
そこをやってしまう一畑電車はスゲえ。

座ることができず、つり革につかまりながらそう考えていた。