出雲国の式内社数は187座。
すでに廃社になったり他の神社に合祀された結果、すべての神社が現在にも残っている訳ではないけど、その数、大和・伊勢に次ぐ多さであることには間違いない。

松江に着いてからは訪ねることに集中できるよう、所在地は名古屋にいる時点であらかたチェックしておき、そのすべての場所をグーグルマップに落とし込んだ。
所在地はグーグルマップで検索できるし、それで分からないときは「式内社調査報告」の出番。
全所在地が地形図上に丸印で示してくれている。
まさに鬼に金棒。

しかし、何かにつけてポカが多い僕のこと。
落とし込んだつもりがまったく見当違いな場所になっていたことも一度や二度じゃない。

出雲郡の都武自神社。
「都武自」はつむじ風の「つむじ」で風火沈静の神であるハヤツムジワケノミコト。

グーグルマップで場所を検索すると一畑電車「旅伏駅」近くに社名が出てきた。
駅から近いなんてラッキー! 
近隣の神社もほぼ国道に沿って点在しているので、回りやすそうでありがたい。

そして今朝、旅伏駅で降りた。
駅近くの神社から始められるなんて。
天気も上々。
今日一日、楽勝の予感。
でも何かおかしい。
スマホを眺めながら神社を探すけど、そこには民家しかない。
朝早い時間にごっついFATBIKEでうろうろするのははばかられるし、地図上の神社が見当たらないしで、だんだん焦ってきた。

これは僕ひとりの力では無理だ。
ちょうど近くの畑で作業をしていたおばあさんに声をかけた。

「神社なんてないですけ」
「えっ、でも地図に神社が...」

おばあさんいわく、地区の氏神さんはここにはなくもっと先にしかないという。
で、そこに行ったわけだが、社名が違う。

ここは最後の手段、グーグル先生に「出雲市 都武自神社」で検索をかけると、出てきた結果に驚きとともにため息が出た。
なんと近くの山の山頂付近。
しかも投稿者のコメントに片道約一時間の登山とある。

雲ひとつない快晴の朝、それまでのわくわく感から血の気が引くような感覚におちいった。