松江駅前でFATBIKEを輪行バッグに詰め込んだ。
今日の行き先は雲南市木次町。

松江から乗った出雲市行きの電車を宍道駅で木次線に乗り換える。
つい数日前、体調不良の状態で乗ったあの電車である。

宍道駅で乗り込んだ電車はあっという間に通学の高校生たちでいっぱいになった。
見たところ二校の学校の生徒が乗ってきた。
制服に「D」マークのある学校、そして「M」マークのある学校。

電車が出発した。
輪行バッグを持っているので電車の最後部に立って周りの様子をうかがう。
男女ともに友達と話すよりも皆スマホに熱中しているのが、いまどきの高校生らしい。

僕の近くにもDとMの二校がいたけど、出雲大東駅でDのグループがすべて降りていった。

「これってマウンテンバイクですか、、クロスですか?」

近くにいたMの男の子が声をかけてきた。

「これね、マウンテンバイクのようだけどちょっと違うんだよ」

そう答えてスマホの写真を見せてあげた。

出雲大東駅まではDグループが多数を占めていた僕の近辺。
彼らが降りたのを見計らって声をかけてきてくれたみたいだ。

宍道駅から彼の目線が輪行バックに注がれるのをなんとなく感じていた。

「僕はロードに乗っています。昨日も走りに行ってきました」

真面目そうな彼に島根のおすすめルートを尋ねると、「日御碕がいいですね。それと三瓶山に「三瓶バーガー』食べに行ったんです。おいしかったからおすすめです」

じつは三瓶山、古社巡礼のコースでもあった。
しかし隣の石見国の神社なので、とりあえず出雲国を優先させるべく却下。

見るからに満を持して、声をかけてくれたようだ。
とても緊張しているのをこちらも見て取れた。
せっかくの機会なので輪行バッグのチャックを下げてFATBIKEの実物タイヤを見せてあげると「これバイクみたいですね」と笑顔になった。

自分の高校時代、雑誌を見よう見まねで真似してたことがあるし、まだ黎明期であったために、周りにマウンテンバイクに乗っている大人がいなかった。
だから生の情報を得ることはできなかった。

今朝のあの学生、親くらいのおじさんから何か影響を受けるところはあったのだろうか。