190511筑陽神社2

出雲国の式内社を巡りながら野生動物の姿、もしくは気配を感じることがあった。
町なかにある神社以外は基本的に山や丘陵地の麓、もしくは中腹に鎮座している。
後背地が山であれば動物がいても全然おかしくないのだけど、名古屋に住んでいると見かけないイタチなんかが道路脇に出てくると、上がってくるテンションを押さえながらじっと観察してしまう。

松江に滞在していたころ、浜田市内の公園でクマの目撃が相次ぎ、ワナにかかった映像がテレビで流れていた。
僕が訪れた場所でクマへの注意が出ていたのは安来市内の神社で「クマ出没注意」の張り紙を見ただけだ。
幸い、松江の次に旅した隠岐の島を含めて島根を離れるまでクマは僕の前には姿を現さずにいてくれた。

目にした野生動物のなかでもダントツに多いのがヘビだ。
マムシこそ現れなかったものの、シマヘビ、ヤマカガシ、アオダイショウはといったヘビは何度かお目にかかる機会があった。
基本的にヘビは苦手だけどそれは急に目の前に現れたらの話で、少し先にいるのが分かっていれば、わざわざ見に行くたちである。
もっとも見に行くとなるとヘビは逃げていってしまうのだけど。

揖夜神社を出てから黄泉平坂をへて築陽神社にたどり着いた。
揖屋駅と荒島駅の中間より揖屋寄りで、中海に突き出た崎田鼻へ伸びる丘陵に東面して鎮座している。
中海に近いけど神社の境内から海は見られない。
周囲は宅地化が進んでいる印象だけど、境内を取り巻く広い森だけを見ていたらそこに住宅地があるとは思えない。

鳥居近くにFATBIKEをとてめ境内へ。
石段を上がり随神門をくぐって太くて大きな注連縄が吊された拝殿まで145歩、まずは参拝。
境内を歩くと摂社に天満宮と伊勢神宮がまつられていた。

「延喜式」によれば当社の次に同社坐波夜都武自和気神社が掲載されているが、実際に神社に来てみると独立した社があるわけではなさそうだ。
社名の「都武自」とは「飄風(つむじかぜ)」のことで波夜都武自和気は風神とされる。
由緒によれば祭神に事代主命とともに速飄別命の名が記されていたから、本殿に合祀されているのだろう。

ところで、境内を出て次の目的地に向かおうと準備していたら、二人の子どもが大きな声で話をしていた。
気に留めず国道方向にペダルを漕ぎ出すと道の真んなかに長細いものが...
近づくとヘビ、体の縦縞からするとシマヘビである。
だが様子がおかしい。
鎌首をもたげたまままっすぐ前を向いているヘビに近づこうとも微動だにしない。
胴体に目をやると腹部から血とともに内臓が飛び出ていた。

「それ動かないよ」
「死んどるの?」

先に子どもたちが見つけたときにはすでにこの状態だったようだ。

生きているヘビを目にする機会も多かったが、なかには轢死体であったり、このシマヘビのように轢かれて間もない個体もいた。

写真は島根県松江市。

190511筑陽神社1