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島根県の酒はうまいらしい。
松江での生活を始める前にそんな噂を耳にしていた。
とはいっても最近は地元である愛知を始め滋賀や奈良、岐阜の酒に接することが多かったので、それ以外の地域の酒は余程のことがなければ買う機会はなかった。

「プチ移住」以前、島根の酒といって思い浮かぶ酒はなかった、というより知らなかったというのが本当のところ。
飲んだことがある「十旭日」(旭日酒造)も島根県名古屋事務所でもらった地酒の冊子で初めて島根の酒だと知ったくらいだ。
だから島根の酒に関してはど素人である。

松江を拠点に出雲地域の神社を訪ねるということはそれだけ各地に赴くわけだから、松江市内では買うことのできない酒が手に入る可能性が高くなる。
島根の酒がどれくらいうまいのか、舌で確認するには古社巡礼は打ってつけの旅になるに違いない。

5月18日、十年ぶりに開催され、ぜひ見たいと思っていた「ホーランエンヤ」渡御祭をサボってJRに乗り安来市内へ。
荒島駅前でFATBIKEを組み立てて予定通り、八カ所の神社を次々に巡っていった。

当日は吉田酒造と青砥酒造の近くを通るコース組みをしていた。
昼食を買おうとスーパーに入り習慣で酒コーナーへ。
月山富田城の地元だけに並ぶのは吉田酒造の「月山」

僕の手元にある「pen」2017年3月号の日本酒特集(「ソムリエが選ぶおいしい日本酒。」)には愛知の「醸し人九平次」や奈良の「風の森」とともに、「月山」が選ばれていた。
その情報が頭の片隅にあったものだから、その日は完全に「月山モード」に入ってしまった。
ここまで来たので吉田酒造で純米生原酒を直販してもらった。

「月山」を買えたことは嬉しいが誤算もあった。
安来にはもう一度来ており、そのときも吉田酒造の前を通っている。
ということは買う機会は一度ではなかったのだ。
だったら青砥酒造で酒を買うという手もあった。

酒蔵がある旧広瀬町へは数回訪ねているものの、山間部のため一度通った道を再び通ることはなかった。
代表銘柄は「ほろ酔い」
ほろ酔いを通り越して毎日泥酔ばかりしているおじさんは避けられてしまったのかもしれないなぁ...

ゆるく蛇行した道が古街道の雰囲気を残す、広瀬町布部の街並み。
通り沿いに「ほろ酔」・青砥酒造の蔵があるが、目的地の布弁神社へは蔵を過ぎ山側に入っていくと入り口に到着。
当日は曇り空で気温は低い。
雨の心配をしていたけど降られることはなかった。

入り口には「合祀紀念」と彫られた大きな石柱が立っており、その隣には「奉祝令和」の幟が風にはためいていた。
近くの鳥居をくぐり石段を上がる。
途中、土俵があり、その上が境内になっている。
入り口の鳥居から拝殿まで153歩、まずは参拝。
見慣れたとはいえ拝殿の大注連縄を目にすると、ここも出雲なんだなと思う。

本殿に向かって右側には山のなかへ続く細い道があった。
なかに入ると木の幹に藁蛇が巻きついていた。
荒神さんだ。
さらに奥には柵に囲われたなかに木が植えられ、神木のようにまつられていた。

神社自体が里と山との境界にあるとすれば、本殿は里側に荒神さんは山側。
所属の違いを見たような気がした。

写真は島根県安来市。

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