190518都弁志呂神社1

都弁志呂神社の境内に入り僕の目を捉えたのは、シイの巨木である。
玉垣で囲われたシイは太い幹から伸びた枝に青々とした葉を茂らせ、一本の木だというのにひとつの森のような存在感を漂わせている。
玉垣には神木を示す注連縄が巻かれ、まるで摂社をまつる土台のように根元は石組みで囲われている。

都弁志呂神社に来る前、「月山」を買った吉田酒造の建物入り口近くにも同じように柵で囲われた神木が植えられていて、根元には小さな御幣が挿してあった。
両方とも荒神さんである。

出雲にやって来て以来、神社の境内で荒神さんを目にする機会が増えた。
詳しいことは分からないけど僕が見た範囲では、荒神さんは木であったり自然石であったり様々な形態でまつられている。
なかには藁で作ったヘビを木に巻きつける蛇巻が行なわれているところもあった。
藁蛇を巻く木の場所は、本殿など神社の建物がある境内の開けた部分ではなく、社叢のなかに植えられいたり、山の際に当たる部分が多かった。

手元に出雲地方の荒神さんについて詳しく書かれた本はないけど、吉野裕子著「蛇」には蛇神と書かれている。
だからヘビに見立てた藁を巻くのだろうか。
「式内社調査報告」によれば当社の荒神さんは祭神である素戔嗚尊の荒魂をまつっているという。

入り口からは石段を上がって境内に入り、拝殿まで90歩。
神社は住宅地を見下ろす伊吹山という山の中腹に鎮座。
手を合わせたあとに後ろを振り返ると、街並みの奥に富田城址が眺められた。

写真は島根県安来市。

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