190530田面神社1

お昼に近づくにつれ降り注ぐ日差しが一段と強くなった。
FATBIKEに乗って走っていると日光をもろに浴びる。
本当は曇りくらいがよいのだけど、晴れているからこそのサイクリングである。

松江での暮らしを始めてからというもの、雨の日は通算四日ほどだった。
生活の大部分を自転車での古社巡礼が占めるので晴天はありがたい。
でも一方で農家さんにとっては田植えの時期だけに、恵みの雨が降らないわけだから心穏やかではなかったことだろう。

FATBIKEをとめてスマホの画面を確認すると、神社の場所は近くにあるはずなのにそれらしき場所が見当たらない。
式内社巡りの旅ではよくあることだけど、実際にそんな場面に出くわすとやっかいだが、こういう場合はあたふたする前に地元のひとに尋ねるのが一番だ。

畑仕事をしているおばさんがいたので目的地である田面神社の場所について尋ねた。

「あぁ、タノモーさんね。どう説明したらいいかな」

仕事の手を休めて、手袋を外しながら歩み寄って僕のスマホを手に取り、「そうだね、どうやって行ったらいいかな」と場所について思い出しながら「細い道」「公会堂」「ごみ捨て場」などをキーワードに行き方を教えてくれた。
僕が自転車で神社を巡っていると話すと、田面神社では三月に五穀祭が、つい最近はマムシ除けの砂をもらう神事があったばかりだという。

マムシ除けの砂はもらってきて田んぼや畑に撒く。
いまではほとんど見ることがなくなったけど、昔は田植えの時期になるとマムシが結構出たそうだ。
農機がない時代には手植えをしていたのでマムシに出くわすとかまれることがあった。
まじないのような神事は手植え時代の名残といえる。

話好きなおばさんとは、神社の場所から最近の神事の話になり、それから天候の話、数日前に行われたホーランエンヤの話題へと移っていった。
お稽古事の関係で前回2009年の祭礼を見に行かれたそうだ。

「ひとが多いけんね、今年は見に行かんかったんよ」

自分の母親と同世代のおばさんは話のなかに時折出雲弁が混じるけど、イントネーションは不思議と関西弁よりも名古屋弁に近いから、違和感を感じず話をしていた。

その後、教えてもらったルート通り、ひと山越え公会堂を右折したところまではよかったけど、その先が不安だったので通りかかりのひとに神社の場所を尋ねた。
すると「バイクは入れませんよ」と注意された。
「これ自転車です」と反論するより早く神社に行きたかったので、「ありがとうございます」とお礼をいって神社に向かった。

確かに神社の場所は分かりにくい。
民家の奥の裏山といった雰囲気だ。
標柱が立っていたのでかろうじて参道であることが分かった。
石段を上がり吸い込まれるように森のなかへ。
小さな本殿まで50歩、まずは参拝。

「式内社調査報告」によれば神社が鎮座する丘陵には「大小の古墳が多く、出土品も多々出ている」との記述があるが、現場では古墳の有無に関する説明はなかった。
でも静かでひっそりとしているから古代人が眠るにはちょうどよい場所である。

写真は島根県安来市。

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