東鴨社を参拝後、境内を出たあたりからお腹に違和感を感じた。
刺しこむ痛み。
それでも我慢できると思い、山の麓にある東鴨社から西鴨社へと向かった。

途中、加茂町公民館を通った際、玄関近くに周辺遺跡の案内板があった。
腹痛とはいっても余裕があったのでペダルを止めて案内板に目を通すと周辺には古墳群はじめ祭祀遺跡が多いと書かれていた。
東西にある鴨神社も古代の祭祀場がルーツで、それが発展して神社という形に至った可能性もあるのではと思った。

いくつか紹介されている史跡のなかでも「鴻ノ池一号墳」という珍しい形の古墳がとくに興味深かった。
古墳というと前方後円墳や円墳など土を盛った墳墓を想像しがちだが、鴻ノ池一号墳は左右の柱状の石の上に天板状の石を載せた支石墓のような形態をしている。
近くにあるなら実際に見てみたいと思ったが普段はため池に沈んでいるので見られないとのこと。
なんだ...
残念な気分で西鴨社へ急いだ。

神社は国道沿いに鎮座していた。
東鴨社とは対照的に平地にある神社で、境内には建物が詰め込まれておらず空間が多い神社というのが第一印象。
FATBIKEを降りて鳥居をくぐり正面の拝殿まで85歩、まずは参拝。
別名「あおい社」と呼ばれる西鴨社の祭神は京都・上賀茂神社と同様、賀茂別雷命。

とりあえず手を合わせたものの、腹痛は一向に引く気配がなく、むしろ時間をへるごとに痛みを増していく。
境内に隣接して児童公園が併設されているので公園まで行ってみるがトイレはない。
ここに来て焦りが出てきた。
慌ててスマホのグーグルマップを開け周辺地図を確認するとJR鴨川駅が近い。
境内に入ってしまったけど、腹痛が我慢できる限界を超えるのは時間の問題だと悟り、古社巡礼を中座してFATBIKEで駅に向かった。

ペダルを漕ぐ振動が腹に伝わり腸を刺激する。
まだ大丈夫、とひたすら祈りながら駅方向に向かおうとすると、幸いにもコンビニがあった。
ただトイレにはすでに先客がいたのでとにかくお茶でも一本買おうとペットボトルを持ってレジで支払いを済ませた。
再びトイレに戻ると空いていた。
かなり切迫していたので最悪の事態を覚悟していたのだが、万が一の事態にもコンビニなら下着も売っているじゃないか。
そう腹が据わったせいか、どうにか惨事は免れた。

ところでこの腹痛、原因はうどんなのだろうか。
高松「プチ移住」では同じことが二回あった。
二回ともかけうどんを食べた直後に起こっているのだ。
かけうどんに天ぷら。
いりこ出汁が合わないのか、天ぷらの油が問題なのか、それとも腰痛用コルセットで常に腹部を圧迫していたからか。
いまだ謎だけど、お腹がデリケートな自分は体が香川の水に慣れていなかったからじゃないかと解釈している。
うどんに罪はない。

参拝後、気になっていた「鴻ノ池一号墳」のあるため池まで走った。
高台にあるため池の水面は池を二分するように水草が繁茂していたが、水草がある部分とない部分の境界に古墳の石が水面から露出していた。
水位が下がり水面から姿を現したようだ。
天板状の石は鳥の糞で白くなってはいるが、水面から顔を出した古代の姿がこうして目の前にあるのだから、感動せずにはいられなかった。

つい数分まで腹痛に悩んでいたことはコロっと忘れていた。