午前四時五十三分発の松江行電車に乗るため高松駅に向かった。
高松から一番早く観音寺に向かう電車である。

十月なので逗留先のマンションを出た四時ころはまだ真っ暗闇だった。
幸い駅から近いので車の通りがあるのとコンビニや牛丼屋など二十四時間営業のお店があるので駅まで向かう道は明るい。
駅に着くと照明は部分的だったので明かりのある場所を探して輪行の準備をした。
四時台に起きることはあっても輪行するのは初めてだ。
滅多にない経験ができるのも「プチ移住」の楽しみである。

分解したFATBIKEを輪行袋に詰め込んで駅構内に向かうと二つのホームに電車が停車していた。
電光掲示板を見ると僕が乗る予定の松山行電車よりも岡山行の電車が先に出発する。
こんな時間にと思ったけど、利用者は松山行よりも多い。
四時台の電車に乗れば岡山到着は五時台なのでそこから新幹線に乗れば大阪や東京へは通常のビジネスタイムに到着する。
高松発の電車が大阪や東京の時間に合わせている、そのことも驚きだった。

一方、僕が乗った松山行電車の観音寺到着は六時二十一分。
北口に出てFATBIKEを組み立てていると雨粒が落ちてきた。
空はどんよりしていて雨とともに風が強く吹いていた。
辺りを行きかうひとの手には雨傘が握られている。
駅前のコンビニでコーヒーブレイクをしてから、目的地の山田神社に向かった。

十分たらずで神社に着いたものの、朝から参拝に来ているひとはいなかった。
後方から入ったので正面に回り直す。
入口手前には団地が軒を連ねるが朝早いのでひとの姿は見られない。
入口から鳥居を二本くぐって境内へ。
拝殿までの道のりには小さな池があり、池に注ぐ水路を渡って拝殿まで65歩、まずは参拝。
拝殿手前の注連柱には「大穴牟遅少名彦(?)神」との文字が見えるから、その二神が祭神ということだろう。
拝殿から本殿裏手に回ると、柱が宝珠で飾られた玉垣に囲まれて本殿が鎮座していた。

朝早くてひとの姿が見られないことに加え、天気がどんよりしているし、広い境内だから余計に寂しく感じられた。