高松でのプチ移住期間中、古社巡礼のついでになるべく酒蔵に行けるよう予定を組んでいた。
米よりも麦が強い香川県なので前回プチ移住した松江のように酒蔵自体が多くはない。
それでも香川県酒造組合によれば現在県内で酒を醸している蔵は六ヶ所。
そして観音寺の蔵といえば川鶴酒造。
蔵のすぐ脇を流れる財田川に舞い降りた鶴がその名の由来である。
加麻良神社から近いこともあり神社を訪ねる前に寄ることにした。

蔵の向かい側には毎月一日から五日限定で開く「せらびい工房」があったけど、僕が観音寺を訪れたのはあいにく八日だった。
あきらめかけたところ、事務所でもお酒を販売している旨を記した紙に地図とともにその事務所の場所が記されていた。
道路を渡って事務所に入る。
この季節の酒、ということで勧められたのは純米ひやおろし。
あとで調べると川鶴酒造の試飲販売が名古屋の松坂屋にも来るそうだ。
期間は十二月四日〜十日。
香川で味わった酒を名古屋でも飲んでみたい。

お酒を買ったところで時間は午前十一時を回っていた。
四時台の電車に乗るため朝食をとったのは三時台。
人生二度目の四国に気持ちが高ぶり、いつもなら起きない時間帯にも目が覚めてしまったのだった。
スマホで近くのうどん屋さんを探し、かけうどんと天ぷらを注文した。
順番は前後するがこの日が今回の高松プチ移住で初めての讃岐うどんだった。
淡い色のいりこ出汁に歯ごたえのあるコシの強いうどん、そしてエビ入りかき揚げ天ぷら。
やっぱり地元は違う、と夢中になってうどんをすすった。
しかしそのうどん(おそらく)がのちに加麻良神社到着後に災いした。

神社は標高200mという小高い山上に鎮座していた。
入口の鳥居をくぐり坂を上がっていく。
斜面には小さな祠が等間隔にまつられていた。
記された社名に見覚えがあると思ったら讃岐国の式内社だった。

山上に到着、拝殿まで255歩、まずは参拝。
神社がまつられている山は御諸山と呼ばれており祭神は大己貴命。
境内には本山である奈良・桜井の三輪山を遙拝する三輪鳥居も立っていた。
拝殿から本殿の裏手に回りちょうど一周したころおなかが痛み出した。
ベンチに座って様子をみようと思ったが、我慢できない。
このままでは惨事になってしまう。
境内にトイレを探したが見当たらないので、下山を覚悟した。
途中、少名毘那神をまつる石宮だけ急いで写真をとり駆け足で山を下った。
辺りにトイレがあるような雰囲気はなくFATBIKEに乗って適当な方向にペダルを漕ぐと天の恵みかコンビニが見つかった。
駆け込んで事なきを得たことは松江でのプチ移住で大変お世話になった出雲の神である大己貴命のおかげだろう。

阿野郡鴨神社を訪れたときもうどんを食べたあとに参拝しておなかが痛くなったことはすでに書いた通りだ。
じつは加麻良神社には根拠は薄いとしながらも加茂神社という論社がある。
鴨も加茂も元は同じ。
でも僕の腹痛の原因が「カモ」氏と関係があるかどうか、は謎である。