松江からFATBIKEを自転車の状態のまま一畑電車に載せて一路、出雲へ。

出雲大社駅から大社の入り口鳥居のある場所まで走っていき写真を撮ろうとすると、すでに石段近くで案内を聞くために数人のグループが集合していた。
朝早いというのにさすがは出雲大社である。
いや、お参りは朝だからこそいい。

島根県内で一番の観光地でもあるだけに一日を通して参拝客が多いことだろう。
前回、大社を訪れたのはまだ平成の大遷宮が行われている最中だったが、日中ということもあり、すごいひとだったことを記憶している。

FATBIKEを駐車場脇にとめておき再び鳥居に戻り、いつもするように拝殿までの歩数を測った。
一の鳥居は一畑電車の駅の向こう側、堀川にかかる橋のたもとにあるけどそこはご勘弁いただき、勢溜の交差点向かい側の鳥居をお辞儀をしてくぐり、歩き始めた。
長い長い参道が一直線に続いていた。
並木として植えられた胴回りが太く立派なマツに見とれながら歩いていると、いろいろなことを思い出した。

前年に父親が亡くなり、とき同じくして僕の体にも異変が現れた。
下腹部、足の甲、尻など至るところに湿疹が出た。
かゆいので掻くと今度はウミに悩まされるようになった。
さらに、それがかさぶたになるとまたかゆくなる、その繰り返し。
皮膚科を受診するも原因は分からないし、単なる湿疹としか診断されなかった。
処方された薬を飲み、本当は塗りたくなかったステロイド系軟膏を塗りかゆみを収めなんとか仕事を続けていた。
それだけでなく夜な夜な寝ていても仕事のことが頭から離れないし、休日にも仕事関係の携帯が鳴る。
精神的に限界に近づいていた。
父親が亡くなった当日にも仕事を休めないという状況にも辟易した。
そんな状況が改善さえることもなく、当たりまえとさえ考えるような代表者。
やってられないと思い辞めることを決意、そして三月の末、建前上は休職という形をとって仕事から離れることになった。
やっとやめられたという解放感とともに僕の頭に出雲国の式内社巡り浮かんだことは、なんども書いていることである。
せっかくの時間、かねてからやりたいと思っていたことをやらなきゃ損だ。
そうして松江で「プチ移住」が始まった。

出雲国の神社でも圧倒的存在感を持ち、松江での古社巡礼の「本丸」でもあった杵築大社こと出雲大社。
松江にやって来て初めて訪れた神社にも大社造の本殿がまつられていた。
ここでは小さな神社も出雲大社の影響を受けているし、他の神社を回っている最中にも出雲大社の存在を意識することがあった。
よそ者の僕にとって単に珍しさからそう感じただけかもしれないけど。

参道を歩いていき、重厚な桧皮葺の拝殿まで700歩。
とうとう来たんだなと思いながら賽銭を投げ、二拝四拍手一拝の作法で手を合わせた。