名古屋発! 町の神さま考

FATBIKEで巡る古社巡礼の旅...

屋根神さまの“ことば”

【ことば】代が変わっても...

「うちらは戦前からまつっとりますで、以前は向こうの六軒長屋にあったんですけど。戦前から親の代からやってまして、代が変わってもこうしてやっております」


--解説--
いまでは橋のたもとに置かれているが、かつては西側の長屋の屋根におまつりされていた。
名古屋市西区/2005年1月

【ことば】円通寺が近いもんで...

「ここは(秋葉山)円通寺が近いもんで秋葉さまをまつるところが多いんじゃないかな。戦争のときも秋葉さまをまつっとったから空襲で焼けなかったっていわれてるよ」


--解説--
熱田区旧宮の宿近辺には町内や隣組で大小様々な秋葉社をおまつりしている。秋葉山円通寺が近いからというのが、その理由。話を聞いた隣組では、数年前まではお社が軒下にまつられていたが、その後、大町内の秋葉神社に合祀された。
名古屋市熱田区/2004年12月

【ことば】待っているばかりが能じゃないから...

「日によってやらない場合もあるし、待っているばかりが能じゃないから手を打たないと」


--解説--
東区内の神さまの写真を撮ろうと早朝から待っていると、その様子を見た近所のおばさんが声をかけてくれた。ここはその日によって、また当番によって準備の時間が違うから、待っているだけじゃなくて自分から町内会長さんや氏子総代さんを探して聞きなさい、とアドバイスを下さった。幸い、その後すぐに当番の方がやってきた。
名古屋市東区/2006年12月

【ことば】昔は盛大にやっとったけど...

「いまはおかがりは焚かっせんよ。7月のなかごろに神主さんがみえて、お祓いやってもらう。子どもの夏病みを防ぐやつだわね。昔は盛大にやっとったけど」


--解説--
かつては月次祭のあとに社の前でかがり火を焚いていたが現在では飾りつけのみ。また東区のこの近辺にも神さまがたくさん見られたが、いつのまにかなくなってしまったという。
名古屋市東区/2006年12月

【ことば】はしご...折れてまったんだわ...

「これはよう、もう上にできんのだわ。はしご見てくれる? 折れてまったんだわ...この町内はよう、年寄りばっかだでよう」


--解説--
月次祭の準備にやってきたおじさんのことば。つい最近まではしごを使って神前にお供えしていたのだが、木のはしごが折れたこと、高齢者が多くなったこと、高いところが危ないことを理由に社の下側におまつりするようになったという。
名古屋市西区/2009年

【ことば】道具はちゃんととってあります...

「神さまはもうおまつりしてませんけど、そのとき使っていた提灯やおまつりの道具はちゃんととってありますよ」


--解説--
屋根神さまのセミナーに参加されたおばあさんのことば。おまつりしなくなったあとも社はかつてのように軒先に見られ、その時に使っていた祭具類もきちんと残してあるという。
名古屋市西区/2008年5月

【ことば】屋根宮と呼んどった...

「私らは神さまのことを『屋根宮』と呼んどったわね」


--解説--
現在でこそ屋根神という呼称を用いるようになったが、それが広まる前には独自の名前で神さまを呼ぶ地域もあった。「屋根宮」もそのひとつ。
名古屋市瑞穂区/2001年8月

【ことば】燃やす木が手に入らんもんで...

「最近はよぅ、燃やす木が手に入らんもんでね。神さまの前で燃やすもんだで、新しくなけなだめだでね」


--解説--
月次祭の夕方には神前にてかがり火を焚く。神前で燃やすものなので古材ではダメ。かつてはどこででも調達できた木材もいまでは建設現場などで出る廃材などをもらったり、なかにはわざわざ店で購入することもあるという。
名古屋市中村区/2005年7月

【ことば】ひと足違いだったね...

「ひと月半前くらいになくしたかね。お社をささえていた柱が腐ってまったもんでね。それと高いところにおまつりしなかんでしょう。わたしらのような年くったもんには高いところは無理だでね。お社は鹽竈さんから宮司さんに来てもらってお祓いしてもらったよ。昔はようけあったんだけどね。町内にひとつはあったんだけど。ひと足違いだったね」


--解説--
鉄製のポール上におまつりされていた神さまがなくなった。確か数ヶ月前に訪れたときにはまだあったのに、と思い近所のおじさんに尋ねた。鹽竈さんとは鹽竈神社のこと。
名古屋市中川区/2005年6月

【ことば】まあいい、オレがやるわぁ...

「やるひとがおばあさんひとりとかだろう、見とると気の毒だで。落ちそうになっとるのを見ると “まあいい、オレがやるわぁ” ってなるわな。でもそうやって、やってあげられるのがこの町内のいいところだけどな」


--解説--
社に隣接する家に住むおじさんに話を聞く。社は新しくなるたびに少しずつ下にさがり、お年寄りでもおまつりしやすいようになっているらしいが、それでもはしごをかけての祭礼準備には危険を伴う。高いところの作業だけでも手伝うよ、と困っているひとに気軽に声をかけられる雰囲気がこの町内にはまだまだ残っている。
名古屋市千種区/2011年8月1日
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ブログについて
FATBIKEというタイヤの太い自転車に乗って延喜式内社を訪ねる旅に出ています。屋根神さまから式内社へ。自転車に乗って神社を訪ね、写真を撮りブログを書く、そんな楽しみに浸る毎日です!
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管理人紹介
1973年7月生まれ。以前は名古屋や愛知県の屋根神さまを探しては写真に残していたが、2015年に岡谷公二著「神社の起源と古代朝鮮」に触発されて敦賀市の式内白城神社を訪れたことから式内社に関心を持つ。現在は介護の現場で働く傍ら、各地の式内社をFATBIKEに乗って訪ねる日々を送っている。
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お知らせ
2016年8月現在、屋根神さまの残存確認は行っておらず、「市内屋根神所在地一覧」(2006年作成)に掲載されている屋根神さまのうちすでに消滅したお社もあると思われます。今のところ内容を更新する予定はありませんので、屋根神さまを訪ねる際は消滅したお社があることをご承知おきいただいた上で、「参考資料」としてご活用いただければと思います。
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