名古屋発! 町の神さま考

FATBIKEで巡る古社巡礼の旅...

クスノキ

【FATBIKE古社巡礼!】伊勢國河曲郡・大木神社

161006大木神社cl1

クスノキの根元には「式内大木神社」と書かれた標柱と常夜灯が設置されていた。
といっても明治四十年代の神社合祀でご神体は須伎神社に移されているから、正確には「大木神社跡」というのが正しいのかもしれない。

それにしても大きなクスノキである。

「式内社調査報告」によれば河曲郡・大木神社の伝承が残る論社は四カ所。
そのうち独立した神社としてまつられているのは鈴鹿市石薬師の大木神社一カ所で、三カ所は他の神社に合祀されてしまっている。

「長太の大楠」

大木神社の名にふさわしいそのクスノキは田んぼのなかにそびえ立ち、遠くからでもその姿を眺められる。
クスノキの説明を見ると、樹高二十六メートル、胴回り二・九メートル、枝張りは東西三十メートル、南北三十五メートル。

風が吹くと枝が揺れ葉っぱ同士がこすれ合う。
サワサワというその音は耳に心地いい。

FATBIKEを根元にとめてしばらくクスノキを見上げていた。
ものすごく大きいクスノキだけど威圧感はない。
むしろ何もかも包み込んむ優しさのようなものが感じられて、思わず涙が出そうになった。

写真は三重県鈴鹿市。

161006大木神社2

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130名古屋駅壁画

何げなく通っていたところで思いがけない出会い、ということを最近経験する機会があった。

名古屋駅地下街での用事を済ませて地下鉄に乗ろうとしたとき、壁一面に描かれた巨大な木に釘付けになった。
色のついた細かいタイル片を何枚も何枚も張り合わせて描かれたもので、その大きさは通路の地面から天井にまで迫っている。

通路は普段から何度も通っており、名古屋の風景や地下鉄の路線が同じようなモザイク画で表現されていることは知っていた。

さて、この巨大な木はどこの木だろうか。

注連縄が巻かれている時点で神木であることが分かるし、外側に大きく広がった枝とそこに繁る緑の葉っぱはともに力強く勢いを感じさせる。

すぐ隣に赤い鳥居が描かれているから、直感で熱田神宮と境内にある名古屋一のクスノキだと思った。

しかしここは桜通線改札の正面、桜通線沿線には鳥居とクスノキがセットで見られるところがあっただろうか。

上階の東山線沿線であれば、中村公園の大鳥居と公園内八幡社の大楠という組み合わせも可能だ。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130名古屋駅壁画

何げなく通っていたところで思いがけない出会い、ということを最近経験する機会があった。

名古屋駅地下街での用事を済ませて地下鉄に乗ろうとしたとき、壁一面に描かれた巨大な木に釘付けになった。
色のついた細かいタイル片を何枚も何枚も張り合わせて描かれたもので、その大きさは通路の地面から天井にまで迫っている。

通路は普段から何度も通っており、名古屋の風景や地下鉄の路線が同じようなモザイク画で表現されていることは知っていた。

さて、この巨大な木はどこの木だろうか。

注連縄が巻かれている時点で神木であることが分かるし、外側に大きく広がった枝とそこに繁る緑の葉っぱはともに力強く勢いを感じさせる。

すぐ隣に赤い鳥居が描かれているから、直感で熱田神宮と境内にある名古屋一のクスノキだと思った。

しかしここは桜通線改札の正面、桜通線沿線には鳥居とクスノキがセットで見られるところがあっただろうか。

上階の東山線沿線であれば、中村公園の大鳥居と公園内八幡社の大楠という組み合わせも可能だ。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130西区上名古屋宗像神社クスノキ3

浄心交差点北東に位置する宗像神社。

そのクスノキは社叢の中心を占め、境内に植えられた他の木々を圧倒する存在感である。

しかしクスノキにも困った問題が出てきているそうだ。

「根っこが本殿の方まで伸びちゃってね」

掃除をしていたおじいさんはそう話して、根元を指差した。
根っこによって押し上げられたせいで本殿手前の土台が盛り上がっている。
胴回りが太いだけに根の張り方も尋常ではなさそうだ。

このままでは近い将来、根が本殿の建物に影響するのは必至である。
そうなればクスノキもこのまま、というわけにはいかなくなるかもしれない。

宗像神社のクスノキは「名古屋市内巨木一覧表」に掲載されるほどのサイズではないものの、神社の風景を構成する一員である。
長い時間をかけて成長したクスノキは、浄心の歴史そのものだと思う。

弁天通沿いには境内に続く細い参道がある。
入口に立ったとき、目に飛び込んでくるのは、社殿を覆う巨大なクスノキの樹相である。

社殿にもクスノキにとってもよい方策はないものだろうか。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130西区上名古屋宗像神社クスノキ2

「私が小さいころからあったでね。古い木だと思うよ」

浄心の交差点から北東方向に歩いていくと、住宅街のなかに宗像神社の社叢が見えてくる。
社叢の主人公はなんといっても大楠である。
境内には黄色く色づいたイチョウもあるのだが、大きさや存在感でクスノキにはかなわない。

本殿脇、すぐ左側にあるクスノキの胴回りは太く、注連縄が巻かれている。
見上げると太い枝から細い枝が伸び、そこにはたっぷりと葉がついている。
大きな容姿全体を視界に納めようとするならば、少し離れ、境内の入り口近くまで下がった方がよい。
巨大な “ブロッコリー” の全体像が見えてくる。

写真を撮りながら眺めていると葉っぱのなかにハンガーが数本ぶら下がっていた。

「カラスが持って来るんだね。嵐のあとになると落ちてくるもんで、私らが掃除せなかんのだわ」

カラスにしてみれば住宅街のなかに大きなクスノキがあるんだからありがたいだろう。
それにしても、枝にぶら下がったハンガーの図…

通常あり得ない光景だけに思わず笑ってしまった。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

140909中村区大正町熊野神社1

熊野神社の社叢は常に僕を癒してくれる。

杜は保存樹であり注連縄が巻かれたクスノキの巨樹を中心に形成されている。
おかげで、自転車で仕事に向かうとき、仕事の途中、夏の厳しい日差しを避けるために車いすを押して木々のなかに入っていくことも度々だ。

熊野神社には本殿と両脇の末社とともに、入口の神楽殿近くには龍神社が鎮座する。

「白明龍神」

社名が染め抜かれた幟が境内を通り抜ける風に吹かれてパタパタとはためいている。

龍神社の社殿は石組の上に築かれているが、それよりも真っ先に視界に入るのが鳥居のすぐ後ろに立っている木である。
三方から支柱で支えられ、てっぺんにはフタのようなものがかぶせてある。

鳥居をくぐると注連縄が巻かれた木のおなかにはおへそのような穴があいていて、小さなお社が納められている。

一見するとその木から濃緑色の葉が出ているように錯覚してしまう。
後方に植えられた椿のようだ。

「あれはね、もともと枯れていましてね。どこからか持ってきたんですよ。四十〜四十五年くらい前でしたかね。たしかクスノキだったかな」

花壇の手入れをしていたおじいさんはそう教えてくださった。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

140909中村区太閤1-3

名古屋市中村区内にある職場への往復には地下鉄とバスを使っている。

往復とも地下鉄だけで可能なのだけど、帰りだけはバスに乗ることにしている。
仕事を終えて疲れた身には外の景色が見られるバスに乗るとホッと一息つけるのだ。

僕の定位置は後輪上の少し高い席である。
目線が窓枠よりも高いので、ボーっと景色を眺めるにはもってこいだ。
その席から、今日も一日疲れたなぁ...と頭を窓にもたれさせていると、窓外にクスノキを見つけた。

とはいえ何度も乗っている路線である。
普段も目にしているはずのクスノキが単なる街路樹ではないことにそのとき初めて気づいた。

そのクスノキの向かい側には小さな神社がある。
「屋根神さま」と同じように津島神社と秋葉神社をおまつりしていることも知っている。
十二月十六日になると秋葉祭のお供えをしているところも見たことがある。
でもクスノキの存在を気に留めることはなかった。

ゆっくりと動くバスからもクスノキに注連縄が巻かれているのが確認できる。
神社に隣接してはいても境内にあるわけではない。

木を見に行こうと考えたとき、真っ先に頭に浮かんだのがそのクスノキだった。

写真は愛知県名古屋市。

【旅の空から】クスノキから京都を見てみたら…

6月第2週から毎週末、京都に来ている。
とはいえ通信制大学の授業が目的なので、駅と学校の往復で週末が終わる。
教室で同じ志を持った学友とともに机を並べられることは、新鮮な経験である。

しかしせっかくの京都、駅と学校を往復するだけではもったいない。
土曜日の授業は幸い午後からなので、早めに到着して歩いてみた。

上七軒でお土産を買ってから学校のある千本北大路方面に向かう。
狭い路地を歩くと所々にお地蔵さまをまつる祠が見られた。
京都の町の神さまである。

鞍馬口通近くで千本通に出た。
するといつも車窓から気になっていたクスノキがあらわれた。
根元近くから二つに分かれてそれぞれ立派な幹をつけているが、マンションの敷地内にあるため葉をつけた小枝はすべて刈り取られていた。

「クスノキを剪定しました」

柵にはそう書かれた紙がはられていた。
一方、クスノキの横には「区民の誇りの木」と木札が立っている。

京都は住宅が密集しているので、クスノキのような巨大化する木は境内地ならまだしも、住宅街での生育には葉害のような問題が出てくるので、難しいのだろう。

でも京都のクスノキ問題を調べてみたら歴史がある分、名古屋以上に何かが出て来そうで面白そうだ。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん

140511中区松原緑地1

そのクスノキは「クスノキさん」と呼ばれている。

僕が巨樹、なかでもクスノキに関心を抱いてからというもの、熱田神宮や高蔵神社のような大きな神社の境内地に植えられているクスノキから、村上社のように木をご神体にまつる神社のクスノキまで、樹高にしろ尋常でない幹の太さにしろ、そのすごさに圧倒されてきた。

クスノキさんは第二次世界大戦の空襲で燃えてしまったため、幹のなかは空洞になってしまっている。
だからこそ、これまで目にしたどのクスノキよりも異形で異質である。

いまでは隣のクスノキの方が大きくなってしまって、クスノキさんの頭上に枝を伸ばすほどの樹勢だ。
密度の濃い葉に覆われているクスノキさんの姿は、まるで森の奥に住む木霊である。

柵の外側からでもクスノキさんは十分に眺めることはできる。
でも可能ならば近くで見てみたい、樹皮を触ってその生命力を感じてみたい、と思った。

写真は名古屋市中区。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん

140511中区松原緑地3

「地図に出てこないのになんで本に載ってるんだろう」

クスノキのある雲龍神社は「中区」の「松原」にあるはずである。
Googleで検索してみると、木の空洞部分に社殿を納めた写真が出てきた。
書店で見つけてから、いても立ってもいられない気持ちで前のめりになっている。
いったん立ち止まりスマホ画面を眺めた。

「松原緑地」

かつて雲龍神社があった場所から神社はなくなり緑地になっているようだ。

僕が名古屋の屋根神さまに興味を持っているときに、おまつりが大変だからといって神さまをなくす現場に立ち会ったことがある。
同じような理由で雲龍神社もなくされたのだろうか、それともほかの理由があってなのだろうか。

栄から歩いて20分ほど。
水主町の交差点東側、高台にある住宅街にそのクスノキは立っていた。
住宅の屋根の上あたりにまで枝が伸びているので場所は簡単に分かった。
緑地は柵で囲まれ入口は施錠されている。
近くで見ることはできないけど、柵の外側からでも十分に眺めることはできる。

それは、幹が空洞になってぽっかり穴の開いてしまったクスノキだった。
立派、を通り越して、神々しい、という言葉がぴったりだった。

写真は名古屋市中区。
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ブログについて
FATBIKEというタイヤの太い自転車に乗って延喜式内社を訪ねる旅に出ています。屋根神さまから式内社へ。自転車に乗って神社を訪ね、写真を撮りブログを書く、そんな楽しみに浸る毎日です!
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管理人紹介
1973年7月生まれ。以前は名古屋や愛知県の屋根神さまを探しては写真に残していたが、2015年に岡谷公二著「神社の起源と古代朝鮮」に触発されて敦賀市の式内白城神社を訪れたことから式内社に関心を持つ。現在は介護の現場で働く傍ら、各地の式内社をFATBIKEに乗って訪ねる日々を送っている。
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お知らせ
2016年8月現在、屋根神さまの残存確認は行っておらず、「市内屋根神所在地一覧」(2006年作成)に掲載されている屋根神さまのうちすでに消滅したお社もあると思われます。今のところ内容を更新する予定はありませんので、屋根神さまを訪ねる際は消滅したお社があることをご承知おきいただいた上で、「参考資料」としてご活用いただければと思います。
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