名古屋発! 町の神さま考

FATBIKEで巡る古社巡礼の旅...

タブノキ

【滋賀・高島市】巨木・神木・クスノキさん その三

150102高島市森神社14

滋賀県内の著名な木々を集めた「近江の名木・並木道」という本を手に入れた。

「クスノキ」
「タブノキ」
「野神」
「神木」
「その他、気になる木」

自分の関心から以上のカテゴリーでページにふせんを張ってみた。

気になったのが湖西の高島市にある森神社のタブノキ。
カラー写真に添えられた文章を読んでみて驚いたのが、1868年に森神社と名前が改められるまで「道祖神」と呼ばれていたという。
理由までは書かれていなかったので、実際に目にしたら何かわかるのではと思った。

1月2日、寒波の影響で名古屋市内にも雪が降り積もった。
JR線に乗って最寄駅を出発し、米原で北陸本線に乗り換える。
敦賀方面に北上すると、車窓から見える景色は白銀の世界だったが、のんきんことはいってられない。
強い吹雪のためホワイトアウトの状態だった。

外の寒さを思うとなんでまたこんな日に…とため息が出るが、湖西線への乗り換え駅である近江塩津駅ではすでに雪は弱まっており、 幸いに降りたホームの向かい側に電車が停まっていた。

森神社のある新旭駅が近づくと、背の高い木々が群立する森のような場所が見えてきた。

写真は滋賀県高島市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130中川区若宮八幡タブノキ4

「能登に行こう」

そう思ったのは、山形健介著「タブノキ」内に紹介されているエピソードを読んだときだった。

民俗学者で、歌人の釈迢空としても有名な折口信夫。
彼は1937年の夏、池田弥三郎ら弟子を伴って北陸を旅した。
富山県の高岡から氷見など能登半島の東海岸を歩き、山を越えて石川県の七尾方面へ。
南下し羽咋市の気多神社も訪れている。

折口と弟子たちは氷見から中能登へ抜ける峠でタブノキを見た。

「七尾へ越える峠に、大きくパァーッと突き出したタブがあった」

折口は著書「古代研究」の挿画としてもタブノキの写真を多く掲載しており、強い関心を持っていた。
能登行は弟子たちにタブノキを見せておくための旅だったといわれる。

僕は77年前に行われた旅をたどってみたい、たどれなくとも折口が能登でタブノキに感じた何かを、自分なりに感じてみたくなった。
彼らが峠を越えて見たタブノキは詳細には語られていないが、七尾方面への途中に「長坂の大いぬぐす」と呼ばれるタブノキの巨樹がある。
また能登はタブノキの多い地域で、行政区域を越えて「能登の木」とする動きもあるようだ。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130中川区若宮八幡タブノキ1

タブノキは、同じクスノキ科であるクスノキとは対照的に、市内ではあまりお目にかからない木である。

名古屋市内の巨樹ランキングを掲載している「なごやの名木」を見ても、ベスト10にランクインしている木のほとんどがクスノキである。

各区別の巨樹一覧ではクスノキ率がやや緩和されるもののタブノキは出てこず、「樹種別最大樹一覧表」になってようやく登場した。

中川区小塚町。
八熊通の南側にある若宮八幡社は仕事で近くを通るものの、境内に入ったことはなかった。
鳥居をくぐってまず目につくのはイチョウやケヤキといった落葉樹である。
九月には葉をたくさんつけていたが、十一月ともなるとイチョウは明るい黄色の葉が幹を包み込み、ケヤキは枝から葉を落とし逆さに立てたホウキのようだ。

本殿裏の北西角に幹の太い木がどっしりと立っていた。
根元に保存樹と書かれた杭があり、ようやくタブノキであると分かった。
枝が横に広がった御園のタブノキとは趣が違い、背は高く、注連縄こそ巻かれてはいないが本殿近くにあることから、「境内の主」的存在である。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130中区御園タブノキ6

伏見通沿いの歩道からタブノキを見上げてみた。

同じ常緑樹とはいえ中央分離帯に植えられたクスノキとはどこか趣が違う。
クスノキの葉は黄緑色で明るい緑なのに対し、タブノキの葉は濃緑色をしており暗い緑である。
そのせいか木が植えられている辺りは明るくても木立のなかは暗く感じる。

タブノキは墓場などにも植えられるため、ひとの死に関わりある木としてあまり好まれないこともあるらしい。
若狭で見たニソの杜は祖先をまつった葬地でもあるという。

幹は根元から二つに分かれており、地上三mくらいの所でくっついている。
ちょうどその位置に注連縄が巻かれ、鉄製のポールが幹と太い枝を支えている。

「昔から白蛇が宿る神木として、また川の船着場の守り神として大事にされてきた」

山形健介著「タブノキ」にはこう紹介されている。
太い幹、そこから伸びる曲がりくねった枝は蛇を想像させる。
また樹幹に空いた洞は、なかに蛇がいてもおかしくない雰囲気を醸し出している。

写真は愛知県名古屋市。
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FATBIKEというタイヤの太い自転車に乗って延喜式内社を訪ねる旅に出ています。屋根神さまから式内社へ。自転車に乗って神社を訪ね、写真を撮りブログを書く、そんな楽しみに浸る毎日です!
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1973年7月生まれ。以前は名古屋や愛知県の屋根神さまを探しては写真に残していたが、2015年に岡谷公二著「神社の起源と古代朝鮮」に触発されて敦賀市の式内白城神社を訪れたことから式内社に関心を持つ。現在は介護の現場で働く傍ら、各地の式内社をFATBIKEに乗って訪ねる日々を送っている。
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