名古屋発! 町の神さま考

FATBIKEで巡る古社巡礼の旅...

大阪市

【大阪・大阪市】巨木・神木・クスノキさん

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ネットで偶然に新聞記事を目にしたことから大阪市内の木まで訪ね歩くことができた。
前日に滋賀・高月の野神さんという、同じく木を神体とした神さまを回って歩いていたので、大都市と農村部での神木認識に差があることが分かった。

高月町の野神さんはケヤキやマツ、スギなど、木そのものが神である。
五穀豊穣を祈願したり、場所によっては村境に存在していた。
また遠くから村を見たときに、突出して高いので村の目印となることもあったのではなかろうか。
さらに根元の回りに五輪塔の破片のような石を置いたり、幹に御幣を置いている光景も見られた。

一方、大阪での道路上の木にはクスノキ、イチョウ、エンジュと多様であるが、種類こそ違えど、ほぼ蛇を神体としておまつりしており、札などから家内安全を祈願していた。

ムラにはムラの問題があり、マチにはマチの問題がある。
両者ともに問題解決を身近な存在である木に求めた。
五穀豊穣から個人の幸せまで、自分たちの日常空間のなかで切実な問題を解決してくれる。

でも、それがなぜ木なんだろう…
その疑問が、次なる木を見つける原動力になるのだ。

写真は大阪市西区。

※参考文献
「車道の真ん中になぜ巨木? 大阪中心部のミステリー」 日本経済新聞 大阪夕刊いまドキ関西 2012年11月14日付(web版11月22日付を参照)

【大阪・大阪市】巨木・神木・クスノキさん

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大阪市西区川口。

安治川の川底トンネルを通り反対岸に出て歩くこと十五分。
大通りをなかに入り、会社社屋と新しくできたマンションが建ち並ぶ一角に「楠大神」はまつられていた。
中央区辺りで見かけた道路中央の浮島方式ではなく、会社敷地の角に植えられたクスノキを囲むように社が構えられている。

クスノキは葉をつけた枝をこんもりさせてはいるが、樹齢はそれほど古くなさそうだ。
鳥居をくぐると、もうひとつの切り株があった。
枯れてから時間がたっているようだ。

小さな神輿型の祠が僕の目線の高さにおまつりされている。
白蛇の置物があるので、楠大神のご神体は蛇と思われる。
さらに足もとには先代だろうか、80センチくらいのクスノキの幹が置かれており、注連縄が張られたコブに「楠大神」と書かれた扁額が載せられている。

大阪で見たどの社にもいえることだが、こちらも負けず劣らずきれいに掃除が行き届いていて清浄感が漂っていた。
とても大切に守られているのが初めて訪れる僕にも伝わってきた。

写真は大阪市西区。

※参考文献
「車道の真ん中になぜ巨木? 大阪中心部のミステリー」 日本経済新聞 大阪夕刊いまドキ関西 2012年11月14日付(web版11月22日付を参照)

【大阪・大阪市】巨木・神木・クスノキさん

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大阪環状線西九条駅を降りて南へ下ると道路が行き止まりになってしまった。

スマホに表示された地図には川を横切るような道が出ている。
おかしい、首をかしげなから向こう岸に渡れそうな橋がないか探していると、何人かのひとたちが立ち止まっている場所があった。
何かと思ってその場に行って驚いた。

そこは安治川の川底トンネルへつながるエレベーターの乗り場であった。

自転車も持ち込める大型のエレベータに乗り込む。
町なか、しかも大阪駅から近い場所に川底トンネルを作ってしまうとは…
さすがは大都市・大阪!
感嘆しているうちにエレベータは地下に到着した。

川底トンネルはひとが余裕を持ってすれ違う程度の幅、万が一のために警備員が常駐し、通り過ぎるひとに「こんにちは」と声をかける。
一緒にエレベータに乗り込んだ人々はただ黙々と歩いて向こう岸まで歩き、再びエレベータに乗り込む。

いままで川底エレベータという異質な乗り物に乗ってたことが嘘のように、たどり着いた先はごくごく普通の町の風景だった。

ここから目指す「楠大神」はすぐ近くだ。

写真は大阪市西区。

【大阪・大阪市】巨木・神木・クスノキさん

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木を求めて大阪市内を歩いてみた。

今回訪ねた六ヶ所の神木に共通するのは、路上や道路に近い場所にまつられていることと、樹木としての神木の種類は違えど蛇をまつっていることである。

「白蛇大明神」
「白光大神」
「白龍大神」
「白砂大神」
「白玉大神」

僕の住む名古屋にも龍神さんや白龍さんをまつった神社や祠は見かけるけど、大阪は多様である。
商人の町だからお稲荷さんが多いのでは、というのは大阪以外の発想なのかもしれない。

大阪では蛇のことを「巳さん」と呼び、その色が白であることは、龍神さんにつけられた名前や祠に置かれた蛇の置物から分かる。

また「榎木大明神」(中央区安堂寺町)の春の大祭の告知や祠の柱に張られた「家庭安全御守護」の札の背景にも白蛇の絵が描かれている。

商売繁盛というよりもむしろ家庭の安全を守るという機能が蛇に託されているようだ。

家を守る蛇、といえば「イモリマムシ(家守蝮)」であるアオダイショウが思い浮かぶ。
神木の神体が蛇なのは、蛇は木にのぼり木のウロをすみかにする習性からだろうか。

写真は大阪市中央区。

※参考文献
「車道の真ん中になぜ巨木? 大阪中心部のミステリー」 日本経済新聞 大阪夕刊いまドキ関西 2012年11月14日付(web版11月22日付を参照)

【大阪・大阪市】巨木・神木・クスノキさん

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「大阪市内で確認できる神木」

記事中の分布図によれば、掲載されている神木はほぼ大阪環状線の内側に位置している(一ヶ所のみ外側)。

大阪環状線は大阪という大都会のさらに中心部を走る路線なので、神木が存在する環状線内側は大阪の歴史のつまったコアな地域といえる。

実際に訪れてみると、ほとんどが車道の真中に浮島のような形態でまつられており、神木の前には小さな祠が置かれている。
しかもどの社の周囲もきれいに掃除されていて、通勤のついでにお参りするひとの姿も見られた。
木の根っこのように信仰が根づいている。

中央区谷町。

谷町筋を南下し谷町七丁目の交差点を東に曲がると道路の中央に島があり、そこにクスノキが立っている。

島には五本のクスノキが植えられているが、注連縄を張られた神木の樹齢はかなり古そう。

神木の手前には祠と題目塔のような碑が立ち、白い鳥居が五本。
祠を見ると白蛇の置物があるので、龍神さんをおまつりしているようだ。
通り沿いのマンションには「楠木通り」と名前がつけられていた。

写真は大阪市中央区。

※参考文献
「車道の真ん中になぜ巨木? 大阪中心部のミステリー」 日本経済新聞 大阪夕刊いまドキ関西 2012年11月14日付(web版11月22日付を参照)

【大阪・大阪市】巨木・神木・クスノキさん

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滋賀県・高月町に多く見られる野神さんはケヤキを神体するものが多いようだ。
「高月」とは「槻」、すなわちケヤキである。
しかしすべての野神さんがケヤキというわけではなく、なかにはスギなどケヤキ以外の木もあり、また高月以外では石の祠であったり、自然石に「野神」と刻まれていたり、様々である。

「大阪市内で確認できる神木」

僕が滋賀に野神さんを訪ねた翌日に急きょ大阪行を思い立ったのは、大阪環状線の内側にまつられている木を紹介した記事がきっかけだった。

掲載されている七ヶ所は環状線の内側にあり、すべて路上にまつられているという。

記事中の写真を見ると大半は道路の真中に専用のスペースを設けてまつっている。

名古屋よりも大きな都市である大阪の「木事情」はどんなだろうかと好奇心がわいてきた。

野神さんや名古屋にある神木との共通点や異なる点などを見つけたいと思い、JR京都駅から大阪に向かう電車に乗った。

写真は大阪府大阪市。

※参考文献
「車道の真ん中になぜ巨木? 大阪中心部のミステリー」 日本経済新聞 大阪夕刊いまドキ関西 2012年11月14日付(web版11月22日付を参照)

【旅の空から】都市に息づいた、神さまという自然、大阪・大阪市

湖北地方の神木である野神さんを見て歩いた翌日も、当初は滋賀県内を歩く予定で計画していた。

京都の定宿でなんとなくネットを見ていると、野神ではないのだが大阪市内にある神木を取り上げた新聞記事を見つけた。

大都市・大阪で息づく神木。
記事は主に道路の真ん中にそびえる巨樹を取り上げていた。

京都からJR大阪駅を経由し環状線の天満駅下車。
今日の一番目は中央区野崎町の御神木である。

読売新聞大阪本社の社屋ビル西側、道路の東寄りに浮島のごとく設けられた神域にその御神木はあった。
朱色の玉垣で覆われた社殿、それは「龍王大神」と呼ばれる蛇をまつる社だった。
到着して写真やメモを取っているとどこからともなく自転車で現れたひとが社殿脇に自転車を止め、さっと手を合わせて走り去って行く、それもひとりではない。
それが御神木を対象としたものか、それとも蛇神を対象としたものなのかわからないが、僕の実感として、龍神信仰が盛んであることを感じる。

名古屋で龍神さんをまつる龍神社は大きな神社の境内に末社として入っている印象が強いが、同じ都市であっても大阪は違う。
「巳さん」という言葉があるように蛇、というか龍神信仰の根付きの深さを感じるのだ。

今日一日で六社の御神木を回ったがそのすべてが巳さん、つまり龍神をまつっていた。

木と蛇という組み合わせに聖性を感じるのが大阪人のメンタリティー なのかもしれない。

滋賀の高月では大阪以上の巨木をいくつも目にしたけど、そこに蛇がからむものを見ることはなかった。
同じ関西圏ではあるけど、木をめぐる信仰も土地によって一筋縄ではいかないようである。

一方で農の神さまとして崇められる巨木も他方では蛇と結びつく。

改めて木とはなんだろうという疑問が浮かんできた。
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ブログについて
FATBIKEというタイヤの太い自転車に乗って延喜式内社を訪ねる旅に出ています。屋根神さまから式内社へ。自転車に乗って神社を訪ね、写真を撮りブログを書く、そんな楽しみに浸る毎日です!
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1973年7月生まれ。以前は名古屋や愛知県の屋根神さまを探しては写真に残していたが、2015年に岡谷公二著「神社の起源と古代朝鮮」に触発されて敦賀市の式内白城神社を訪れたことから式内社に関心を持つ。現在は介護の現場で働く傍ら、各地の式内社をFATBIKEに乗って訪ねる日々を送っている。
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お知らせ
2016年8月現在、屋根神さまの残存確認は行っておらず、「市内屋根神所在地一覧」(2006年作成)に掲載されている屋根神さまのうちすでに消滅したお社もあると思われます。今のところ内容を更新する予定はありませんので、屋根神さまを訪ねる際は消滅したお社があることをご承知おきいただいた上で、「参考資料」としてご活用いただければと思います。
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