湖北地方の神木である野神さんを見て歩いた翌日も、当初は滋賀県内を歩く予定で計画していた。

京都の定宿でなんとなくネットを見ていると、野神ではないのだが大阪市内にある神木を取り上げた新聞記事を見つけた。

大都市・大阪で息づく神木。
記事は主に道路の真ん中にそびえる巨樹を取り上げていた。

京都からJR大阪駅を経由し環状線の天満駅下車。
今日の一番目は中央区野崎町の御神木である。

読売新聞大阪本社の社屋ビル西側、道路の東寄りに浮島のごとく設けられた神域にその御神木はあった。
朱色の玉垣で覆われた社殿、それは「龍王大神」と呼ばれる蛇をまつる社だった。
到着して写真やメモを取っているとどこからともなく自転車で現れたひとが社殿脇に自転車を止め、さっと手を合わせて走り去って行く、それもひとりではない。
それが御神木を対象としたものか、それとも蛇神を対象としたものなのかわからないが、僕の実感として、龍神信仰が盛んであることを感じる。

名古屋で龍神さんをまつる龍神社は大きな神社の境内に末社として入っている印象が強いが、同じ都市であっても大阪は違う。
「巳さん」という言葉があるように蛇、というか龍神信仰の根付きの深さを感じるのだ。

今日一日で六社の御神木を回ったがそのすべてが巳さん、つまり龍神をまつっていた。

木と蛇という組み合わせに聖性を感じるのが大阪人のメンタリティー なのかもしれない。

滋賀の高月では大阪以上の巨木をいくつも目にしたけど、そこに蛇がからむものを見ることはなかった。
同じ関西圏ではあるけど、木をめぐる信仰も土地によって一筋縄ではいかないようである。

一方で農の神さまとして崇められる巨木も他方では蛇と結びつく。

改めて木とはなんだろうという疑問が浮かんできた。