名古屋発! 町の神さま考

FATBIKEで巡る古社巡礼の旅...

愛知県

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130名古屋駅壁画

何げなく通っていたところで思いがけない出会い、ということを最近経験する機会があった。

名古屋駅地下街での用事を済ませて地下鉄に乗ろうとしたとき、壁一面に描かれた巨大な木に釘付けになった。
色のついた細かいタイル片を何枚も何枚も張り合わせて描かれたもので、その大きさは通路の地面から天井にまで迫っている。

通路は普段から何度も通っており、名古屋の風景や地下鉄の路線が同じようなモザイク画で表現されていることは知っていた。

さて、この巨大な木はどこの木だろうか。

注連縄が巻かれている時点で神木であることが分かるし、外側に大きく広がった枝とそこに繁る緑の葉っぱはともに力強く勢いを感じさせる。

すぐ隣に赤い鳥居が描かれているから、直感で熱田神宮と境内にある名古屋一のクスノキだと思った。

しかしここは桜通線改札の正面、桜通線沿線には鳥居とクスノキがセットで見られるところがあっただろうか。

上階の東山線沿線であれば、中村公園の大鳥居と公園内八幡社の大楠という組み合わせも可能だ。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130名古屋駅壁画

何げなく通っていたところで思いがけない出会い、ということを最近経験する機会があった。

名古屋駅地下街での用事を済ませて地下鉄に乗ろうとしたとき、壁一面に描かれた巨大な木に釘付けになった。
色のついた細かいタイル片を何枚も何枚も張り合わせて描かれたもので、その大きさは通路の地面から天井にまで迫っている。

通路は普段から何度も通っており、名古屋の風景や地下鉄の路線が同じようなモザイク画で表現されていることは知っていた。

さて、この巨大な木はどこの木だろうか。

注連縄が巻かれている時点で神木であることが分かるし、外側に大きく広がった枝とそこに繁る緑の葉っぱはともに力強く勢いを感じさせる。

すぐ隣に赤い鳥居が描かれているから、直感で熱田神宮と境内にある名古屋一のクスノキだと思った。

しかしここは桜通線改札の正面、桜通線沿線には鳥居とクスノキがセットで見られるところがあっただろうか。

上階の東山線沿線であれば、中村公園の大鳥居と公園内八幡社の大楠という組み合わせも可能だ。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130西区上名古屋宗像神社クスノキ3

浄心交差点北東に位置する宗像神社。

そのクスノキは社叢の中心を占め、境内に植えられた他の木々を圧倒する存在感である。

しかしクスノキにも困った問題が出てきているそうだ。

「根っこが本殿の方まで伸びちゃってね」

掃除をしていたおじいさんはそう話して、根元を指差した。
根っこによって押し上げられたせいで本殿手前の土台が盛り上がっている。
胴回りが太いだけに根の張り方も尋常ではなさそうだ。

このままでは近い将来、根が本殿の建物に影響するのは必至である。
そうなればクスノキもこのまま、というわけにはいかなくなるかもしれない。

宗像神社のクスノキは「名古屋市内巨木一覧表」に掲載されるほどのサイズではないものの、神社の風景を構成する一員である。
長い時間をかけて成長したクスノキは、浄心の歴史そのものだと思う。

弁天通沿いには境内に続く細い参道がある。
入口に立ったとき、目に飛び込んでくるのは、社殿を覆う巨大なクスノキの樹相である。

社殿にもクスノキにとってもよい方策はないものだろうか。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130西区上名古屋宗像神社クスノキ2

「私が小さいころからあったでね。古い木だと思うよ」

浄心の交差点から北東方向に歩いていくと、住宅街のなかに宗像神社の社叢が見えてくる。
社叢の主人公はなんといっても大楠である。
境内には黄色く色づいたイチョウもあるのだが、大きさや存在感でクスノキにはかなわない。

本殿脇、すぐ左側にあるクスノキの胴回りは太く、注連縄が巻かれている。
見上げると太い枝から細い枝が伸び、そこにはたっぷりと葉がついている。
大きな容姿全体を視界に納めようとするならば、少し離れ、境内の入り口近くまで下がった方がよい。
巨大な “ブロッコリー” の全体像が見えてくる。

写真を撮りながら眺めていると葉っぱのなかにハンガーが数本ぶら下がっていた。

「カラスが持って来るんだね。嵐のあとになると落ちてくるもんで、私らが掃除せなかんのだわ」

カラスにしてみれば住宅街のなかに大きなクスノキがあるんだからありがたいだろう。
それにしても、枝にぶら下がったハンガーの図…

通常あり得ない光景だけに思わず笑ってしまった。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

141130西区上名古屋ケヤキ3

地下鉄浄心駅を出て交差点を東に向かうと、歩道上に端正な容姿のケヤキの木が一本立っている。

街路樹かな、と歩道を見回しても立っているのは一本だけ。
もしかしたらこの辺りに昔から植えられていたケヤキで、道路整備の際にも何らかの理由で伐らずに残されたと思い、「特別な木」として写真を撮った。

ケヤキが立っている場所から北に向かうと住宅街に宗像神社の境内が見えてくる。
本殿のすぐ脇には巨大なクスノキがしっかりと根を張り、境内の入口には黄色い葉をつけたイチョウが朝日にまぶしく照らされていた。

日曜日の朝早いこともあり境内には僕以外だれもいなかったが、参拝を終えたころにはおじいさんが社務所のなかからほうきを取り出して掃除を始めた。

地元の方だろうからとケヤキについて尋ねてみた。

「あのケヤキは街路樹ですよ。昔はなかったから、市が植えたんじゃないかな。もう少し東に行くともっとたくさんありますよ。よかった見てきてちょうだい」

確かに東側にはケヤキの並木道があった。
並木から外れた場所に立つ一本のケヤキ…
そう考えると寂しそうにも見えてくる。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

140909中村区大正町熊野神社1

熊野神社の社叢は常に僕を癒してくれる。

杜は保存樹であり注連縄が巻かれたクスノキの巨樹を中心に形成されている。
おかげで、自転車で仕事に向かうとき、仕事の途中、夏の厳しい日差しを避けるために車いすを押して木々のなかに入っていくことも度々だ。

熊野神社には本殿と両脇の末社とともに、入口の神楽殿近くには龍神社が鎮座する。

「白明龍神」

社名が染め抜かれた幟が境内を通り抜ける風に吹かれてパタパタとはためいている。

龍神社の社殿は石組の上に築かれているが、それよりも真っ先に視界に入るのが鳥居のすぐ後ろに立っている木である。
三方から支柱で支えられ、てっぺんにはフタのようなものがかぶせてある。

鳥居をくぐると注連縄が巻かれた木のおなかにはおへそのような穴があいていて、小さなお社が納められている。

一見するとその木から濃緑色の葉が出ているように錯覚してしまう。
後方に植えられた椿のようだ。

「あれはね、もともと枯れていましてね。どこからか持ってきたんですよ。四十〜四十五年くらい前でしたかね。たしかクスノキだったかな」

花壇の手入れをしていたおじいさんはそう教えてくださった。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

140909中村区太閤2-1

巨樹、巨木、名木と呼ばれる景観的、歴史的に価値のある木は「保存樹」として行政に登録され、保護の対象となっている。

木に関心を持って以来、神社境内や公園などで木の周りに「保存樹」と書かれた杭が多いことに気づいた。
わが家から近いところでは、熱田神宮境内がまさに保存樹の宝庫。
市内最大のクスノキはじめ指定された樹木は多い。

しかし保存樹指定されたものだけが名木とは限らない。
ひとの暮らしに寄り添い、物語がある木も名木だと思う。

名古屋駅の西側、中村区役所近くの辻にまつられている天王社。
その前を仕事の途中によく通っていたが、あるときお社がなくなっていた。
向かい側の家のおばあさんが戻ってみえたので話を聞くと、社が雨漏りするので修理中とのことである。

同じように社がない龍神社についても尋ねた。
熱心にお守りしていたおじいさんが亡くなったので、お祓いをして神社境内に移設したそうだ。
現在では御神木であるイチョウが龍神社の記憶をとどめている。

「龍神さんが二匹、天に昇っていく」

そういわれた半年後、おじいさんは亡くなられたという。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

140909中村区太閤1-3

名古屋市中村区内にある職場への往復には地下鉄とバスを使っている。

往復とも地下鉄だけで可能なのだけど、帰りだけはバスに乗ることにしている。
仕事を終えて疲れた身には外の景色が見られるバスに乗るとホッと一息つけるのだ。

僕の定位置は後輪上の少し高い席である。
目線が窓枠よりも高いので、ボーっと景色を眺めるにはもってこいだ。
その席から、今日も一日疲れたなぁ...と頭を窓にもたれさせていると、窓外にクスノキを見つけた。

とはいえ何度も乗っている路線である。
普段も目にしているはずのクスノキが単なる街路樹ではないことにそのとき初めて気づいた。

そのクスノキの向かい側には小さな神社がある。
「屋根神さま」と同じように津島神社と秋葉神社をおまつりしていることも知っている。
十二月十六日になると秋葉祭のお供えをしているところも見たことがある。
でもクスノキの存在を気に留めることはなかった。

ゆっくりと動くバスからもクスノキに注連縄が巻かれているのが確認できる。
神社に隣接してはいても境内にあるわけではない。

木を見に行こうと考えたとき、真っ先に頭に浮かんだのがそのクスノキだった。

写真は愛知県名古屋市。

【愛知・名古屋市】巨木・神木・クスノキさん その二

最近、出不精になったと感じることがある。

二十代のころは休みになると、居ても立っても居られないとばかりに外に出かけていった。
あるときは歩き、またあるときは自転車にまたがり、またまたあるときはカバンにカメラを入れて自転車に乗った。

そして当時、好きで好きで、見たくて見たくてたまらなかった「屋根神さま」を地図を片手に探しまわったり、そのいつ始まるともわからない祭礼の現場に始発電車に乗って行くこともあった。

しかし四十代となったいまは変に知恵がついたせいか、行動の前につい考えてしまう。

「いまごろ行ってももうお祭は終わっているだろう」
「今更行ってもどうせ話は聞けないから、のんびりしよう...」

福井県若狭地方にダイジョウゴと呼ばれるタブノキや、同県おおい町にニソの杜を訪ねてから十日ほどたったある日の朝。
寝床から望む窓の外には空から射した陽光が向かい側のビルの壁に降り注いでいる。

いい天気だなぁ...

そうなると無条件、外を歩かずにはいられない。
ただ何となく歩くのはもったいないから、福井県で木を訪ね歩いたように、ここでも木を求めて歩いてみよう。

【愛知・名古屋市】ぼくたちの山ノ神さん

141123南区鳥栖神明社山神1

南区鳥栖神明社の山神碑は円形というよりも楕円形で平ペったい印象である。

山頂に鎮座する本殿の社と津島神社との間にまつられている山神碑は、他の社が木製の祠の形態であるのに対し御神体が露出した状態。
コンクリート台上の姿は明らかに他の祭神とは異質な雰囲気を醸し出している。

山神碑についての解説によれば祭神は大山祇神であり、神々の系譜のなかでの大山祇神が「須佐之男命の妻となった櫛名田比売の祖父であり天孫邇邇芸命の妻と木花之佐久夜毘売と岩長姫は大山津見神の御子で...」「日本酒の祖神」云々…として書かれている。

甥っ子のベビーカーを押しながら周辺を歩いてみた。
バス通りである東浦通から西側の新郊通へ向かう道はかなりの上り坂で、八剱・神明両神社は台地上に造営された古墳であることが分かる。

山ノ神は後世になって神話の神さまの意味づけがなされたもので、大昔は台地一帯でまつられた素朴な自然神だったのではないだろうか。

写真は愛知県名古屋市。
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ブログについて
FATBIKEというタイヤの太い自転車に乗って延喜式内社を訪ねる旅に出ています。屋根神さまから式内社へ。自転車に乗って神社を訪ね、写真を撮りブログを書く、そんな楽しみに浸る毎日です!
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管理人紹介
1973年7月生まれ。以前は名古屋や愛知県の屋根神さまを探しては写真に残していたが、2015年に岡谷公二著「神社の起源と古代朝鮮」に触発されて敦賀市の式内白城神社を訪れたことから式内社に関心を持つ。現在は介護の現場で働く傍ら、各地の式内社をFATBIKEに乗って訪ねる日々を送っている。
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お知らせ
2016年8月現在、屋根神さまの残存確認は行っておらず、「市内屋根神所在地一覧」(2006年作成)に掲載されている屋根神さまのうちすでに消滅したお社もあると思われます。今のところ内容を更新する予定はありませんので、屋根神さまを訪ねる際は消滅したお社があることをご承知おきいただいた上で、「参考資料」としてご活用いただければと思います。
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