名古屋発! 町の神さま考

FATBIKEで巡る古社巡礼の旅...

高月町

【FATBIKE古社巡礼!】近江國伊香郡・天八百別神社

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そういえば湖北に式内社を訪ねる旅を始めてから、近くにあるはずなのに全然その存在に気づかないものがある。

滋賀県のシンボルである琵琶湖。
地図を見ると高月駅から西へ数キロのところに湖があるのだけど、湖の存在を感じさせないのは平野との間に壁のように立ちはだかる山があるからだ。
その山の山頂には「古保利古墳群」「西野古墳群」といって古墳が築かれている。

天八百別神社は山の東側に鎮座し、その森は遠くから見ると背後の山に溶け込んでしまうくらい緑が深い。

入り口の鳥居から拝殿まで115歩。
まずは参拝。
境内に入ると、外から想像していたよりも広々とした空間がある。

「式内社調査報告」には、背後に築かれた古墳群と関係のある神社ではないかと記されている。
古墳に埋葬された人々をまつるための施設だったのだろうか。

メモを取ろうと拝殿の東側に腰掛けると社叢林の隙間から遠くに雪をかぶった伊吹山の姿が眺められた。

神社は背後の古墳をまつり、しかも伊吹山が眺められるという二つの条件が重なった場所に鎮座しているように思われた。

写真は滋賀県長浜市。

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【FATBIKE古社巡礼!】近江國伊香郡・大水別神社

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大表神社境内奥、モミの木の野神さんの前には「野神碑」と書かれた碑が建てられていた。
幹に巻かれたしめ縄の中心には、先に御幣がつけられた竹の棒が吊るされている。

僕がこの野神さんと初めて出会ったのは数年前、野神という木の神さまのことを知り、実際に見てみたいと思って高月町を訪れたときのこと。
雨が降りそうな天気のなか、ちょうど琵琶湖と平野を隔てる壁のような山地の際にある西野の野神さんを見に行った帰りだった。

FATBIKEで西野放水路沿いの道路を走っていると大表神社の森のなかに突出して背の高い野神さんが見えてきた。
表に回り込み用水が流れる入り口にFATBIKEをとめた。
鳥居をくぐり拝殿までは21歩。
本殿と野神さんに手を合わせる。

「式内社調査報告」によれば、大表神社は大水別神社の四社ある論社のなかのひとつ。
しかし境内を歩いてみても祭神や由緒が記されたものは見当たらなかった。

ちなみに神社が鎮座する柳野中の東西には東柳野、西柳野がありそれぞれに式内社と考えられている神社が鎮座している。

写真は滋賀県長浜市。

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【FATBIKE古社巡礼!】近江國伊香郡・大浴神社

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重則の大浴神社を出て南側に流れる西野放水路を渡ると西柳野の八幡神社の森が見えてきた。

木が密に茂る鬱蒼とした森というよりは背の高い木々が目立つ、湖北でよく見られる社叢である。
立派なスギの木が立つ入り口にFATBIKEをとめて拝殿まで36歩、まずは参拝。
境内を歩いてみるが祭神や由緒が記されたものは見当たらない。

数年前、農の神さまである野神さんをここ高月町に訪ねたことがある。

ケヤキやスギなど胴回りが太かったり樹高がとくに高い木が野神さんとしてまつられる。
湖北に特徴的な神の木である。
野神さんを探し回っていたとき、境内に野神さんがあるかもしれないからと方々の神社も訪ね歩いた。

そして今、式内社を訪ねてびっくりしたのが、かつて野神さんを訪ねた旅と今回、式内社を巡る旅で訪れる神社が多くの点で重なっていることだ。
野神さんと式内社は直接関わりがあるとは思えないけれども、両者とも古くから地域の人々に大切にされてきた神さまであることは間違いない。

写真は滋賀県長浜市。

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【大阪・大阪市】巨木・神木・クスノキさん

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滋賀県・高月町に多く見られる野神さんはケヤキを神体するものが多いようだ。
「高月」とは「槻」、すなわちケヤキである。
しかしすべての野神さんがケヤキというわけではなく、なかにはスギなどケヤキ以外の木もあり、また高月以外では石の祠であったり、自然石に「野神」と刻まれていたり、様々である。

「大阪市内で確認できる神木」

僕が滋賀に野神さんを訪ねた翌日に急きょ大阪行を思い立ったのは、大阪環状線の内側にまつられている木を紹介した記事がきっかけだった。

掲載されている七ヶ所は環状線の内側にあり、すべて路上にまつられているという。

記事中の写真を見ると大半は道路の真中に専用のスペースを設けてまつっている。

名古屋よりも大きな都市である大阪の「木事情」はどんなだろうかと好奇心がわいてきた。

野神さんや名古屋にある神木との共通点や異なる点などを見つけたいと思い、JR京都駅から大阪に向かう電車に乗った。

写真は大阪府大阪市。

※参考文献
「車道の真ん中になぜ巨木? 大阪中心部のミステリー」 日本経済新聞 大阪夕刊いまドキ関西 2012年11月14日付(web版11月22日付を参照)

【滋賀・長浜市】湖北の巨木、野神さんを巡る旅へ 高月編

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滋賀県長浜市高月町。

北陸本線高月駅を降りて駅の西側に出る。
地形図を手にまずはどこに行こうか思案するが、初めての場所ということもあり、持参した本「神の木」を参考に歩き始めた。

高月町高月の野神さんに向かったはずだが、まったく違った方向に歩いていたようで、途中で道を聞いたおばあさんに、
「野神さんゆうたら、もっと北の方や。この辺にはあらへん」
といわれる始末。

仕方ないと思いつつ犬の散歩をしているおばさんに声をかけて、広げていた本を見せる。

「野神さんね、お盆のころに掃除したりするんやけど、どこやったかな。ここの野神さんはこの道まっすぐ行って線路渡ったらすぐや思いますよ」

野神さんって高月ではそれほどメジャーな神さまではないのだろうか。

高月町渡岸寺。

線路を渡り路地のような曲がりくねった道を進むとお寺が見えてきた。
同時に用水沿いに巨木の名に恥じない木が立っていた。

「ええ、これが野神さんですわ」

写真は滋賀県長浜市。

【愛知・名古屋市】湖北の巨木、野神さんを巡る旅へ 名古屋編

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僕は休日前の晩には飲んで帰ることにしている。
サラダやチーズなどつまみのような食事とワイン。
ワインがなくなれば追加することもあるから、店を出るころにはでき上がっている。

「千ベロ」

民俗写真家である芳賀日出雄先生の写真集から学んだのは、民俗事例を撮ったすばらしい写真もさることながら、千円でベロベロに酔うというこの言葉が大きい。

ほろ酔い気分で本屋に立ち寄った。

ラジオで紹介されていた本を買うつもりで手に取ったあとで、民俗コーナーの棚を何げなく眺めていた。

「神の木」

著者は李春子という韓国人研究者。

「日・韓・台の巨木・老樹信仰」というサブタイトルにも惹かれた。
十数年前に韓国に住んでいた自分にとって韓国で木に対する信仰するがあるなんて知らなかったからだ。

それよりも気になるのは、著者が最初にあげている滋賀県の「野神」である。

野神というのは神さまとしてまつられた巨木で、その大きさは半端ない。

立ち読みのつもりが、買うつもりだった本を返して「神の木」を購入してしまった。

その数週間後、僕は滋賀県長浜市高月町へ野神さんを訪ねることになった。

写真は滋賀県長浜市。

【旅の空から】湖北の巨木、野神さんを巡る旅へ、滋賀・長浜市

木之本駅を出て南側に歩を進める。

唐川地区の野神である大杉がまつられているのは、涌出山の南山麓に広がる唐川区の集落である。

高月駅を出てしばらくすると北陸本線の車窓から涌出山の麓に突出した木立が目についた。
それが唐川の野神さんだった。

「野大神」

推定樹齢四百年の巨木は二十メートルの樹高と約八メートルの胴回りを誇る。
幾重にも枝分かれしており、花粉と思しきものがたわわに実った果実よろしくその枝先に密集している。
もし自分が花粉症持ちならこのすばらしい巨木を見上げることさえままならなかったはずだ。

唐川を歩いた後、横山、東物部、西物部、松尾、西野、西柳野、柳野中と北陸本線の西側の地区を歩いた。

野神さんは地区によってまつられる場所はまちまちで、神社境内や専用の神域、分かれ道の角地、山の中などがある。

神体は僕が見た高月町の巨木はケヤキが多いが、スギや松もある。
ほとんど巨木だが、祠として神社境内にまつられていたり、巨木ではなく石を代わりにするところもある。
野神さんは滋賀県内では高月町のある湖北地方や湖東地方に多く、大阪府や奈良県でもまつられているという。

僕が野神さんにひかれるのはそれが木という自然神であり、集落の入り口に立っていることもあるので、どこか道祖神をほうふつさせるからである。

道祖神のような素朴さはないが、胴回り樹高ともに想像を超える大きさで、出会いのたびに上を見上げては「すげ〜」と声をあげている。

町の神さまというより「村の神さま」だが、いまはその魅力にハマってしまっている。

※続きは「「相模の三魔羅」異色の道祖神と出会う旅 その二」終了後に掲載予定です。
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FATBIKEというタイヤの太い自転車に乗って延喜式内社を訪ねる旅に出ています。屋根神さまから式内社へ。自転車に乗って神社を訪ね、写真を撮りブログを書く、そんな楽しみに浸る毎日です!
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管理人紹介
1973年7月生まれ。以前は名古屋や愛知県の屋根神さまを探しては写真に残していたが、2015年に岡谷公二著「神社の起源と古代朝鮮」に触発されて敦賀市の式内白城神社を訪れたことから式内社に関心を持つ。現在は介護の現場で働く傍ら、各地の式内社をFATBIKEに乗って訪ねる日々を送っている。
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お知らせ
2016年8月現在、屋根神さまの残存確認は行っておらず、「市内屋根神所在地一覧」(2006年作成)に掲載されている屋根神さまのうちすでに消滅したお社もあると思われます。今のところ内容を更新する予定はありませんので、屋根神さまを訪ねる際は消滅したお社があることをご承知おきいただいた上で、「参考資料」としてご活用いただければと思います。
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